完成早々の火力発電所が危機。「見せ球」投資話に乗せられた大和や地元地銀に走る激震。
2021年6月号 BUSINESS
昨年12月上旬。北海道釧路市で新しい石炭火力発電所に火が灯った。釧路火力発電所――。同名の企業が運営する11.2万キロワットの発電所は動き出したばかりだが、地元では「いつ停まってもおかしくない」と囁かれている。
気候変動対策が叫ばれる中で、石炭火力発電所の新設が認められたのは、地元の採炭会社、釧路コールマイン(KCM)の産出する石炭を消費しなければならないという金科玉条があったためだ。国内唯一の「坑内掘り」炭鉱であるKCMが立ち行かなくなれば、坑内掘りの国産技術は実践の場を失い、後世に継承されなくなる。もはや価格でも炭質でも競争力を失ったKCMの石炭は地元の北海道電力ですら使おうとはしない。はめ込み先に苦慮する中で、釧路市長の蝦名大也が積極誘致したのがこの新しい発電所だった。釧路発電所は単なる石炭火力ではなく、バイオマスを混焼することで、二酸化炭素の排 ………
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