もはや手後れだが、日本には世界シェアの過半を握る半導体製造用「材料」と「装置」がある。
2021年6月号 BUSINESS
経済産業省が半導体戦略の強化を図るため3月24日に開いた検討会議(座長は半導体装置大手の東京エレクトロン元社長の東哲郎氏)は衝撃的だった。「日本の凋落」と題する配布資料に、国際的な日本企業の半導体シェアは1988年の50%から2019年には10%に落ち込み、「将来的に日本シェアはほぼ0%に!?」と書かれていたからだ。一方、その打開策はといえば、先端半導体の製造技術開発やデータセンターの最適配置など「経産キャリアが頭で考えた作文」の域を出ず、NTT、富士通、JSR、ルネサスエレクトロニクス、キオクシア、アドバンテストなど錚々たる社長を集めたものの本気度が伝わらないものだった。「いまさら先端技術開発で返り咲こうなんて絵空事」というのが参加企業のホンネ。もはや我が国が半導体市場で世界を牽引できるのはシリコンウエハーやフォトレジストなどの高機能材料と一部の製造装置だけ ………
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