東芝・永山治は「令和の白洲次郎」か

前社長・車谷暢昭の「究極ご都合主義」を粉砕した永山が範とするのは白洲次郎だった。

2021年6月号 BUSINESS

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東芝を巡るドタバタ劇には何人かの役者がいる。主役はむろん前社長の車谷暢昭だろう。脇でそれを固めるのが車谷と二人三脚で非上場化を進めようとした社外取締役の藤森義明、東京大学アメリカンフットボール部では藤森の後輩で、CVCキャピタル・パートナーズ日本法人の社長を務める赤池敦史。さらに外してはならない人物がいる。3人の暴走を食い止めた取締役会議長の永山治だ。中外製薬の中興の祖にして名誉会長、ソニーの社外取締役も長年務めた昭和22年東京生まれの74歳はいったいどんな御仁なのか。

高校卒業式を欠席し渡英

永山を語る上で欠かせないのが、戦後の復興期に当時首相の吉田茂を陰で支えた「占領を背負った男」白洲次郎だ。永山の父親で商工省のキャリア官僚から昭和シェル石油の会長まで務めた永山時雄を通じて幼少の頃から付き合いがあり、永山本人も認めるように多大な影響を与えた。戦後、商工省には、復 ………

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