海外の会計事務所による英文報告書受領から公表まで1カ月も精査。和訳で「前会長」批判を削り、責任の所在をうやむやに。
2021年5月号 BUSINESS
不正会計が発覚したユニデンHD(ホールディングス)に、調査報告書を改変していた疑いが浮上した。既報の通りユニデンHDは昨年5月に収益を水増しする不正会計があったことを公表。不正の舞台となった米国子会社などで何があったのか、原因はどこにあるのかを調査・報告するよう海外の会計事務所に依頼した。報告書は昨年6月に公表されたが、実は和訳する段階で責任の所在をうやむやにする工作が行われていた。ユニデンHDが和訳・公表した報告書では不正会計を主導したのは「幹部」とぼかされているため、不正会計の責任の所在が判然としないが、それは報告書を作成した会計事務所が忖度したためではない。むしろ英文の調査報告書には“Substantial evidence suggests that UHC(筆者注:ユニデンHD)leadership, including its Chairman and senior executives, created a toxic corporate culture”と明 ………
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