憎悪犯罪撲滅を唱えるピチャイの足元で、火を噴く雇用差別。爆発する少数派社員の不満を制御しきれるのか。
2021年5月号 BUSINESS
3月16日夜、米アトランタ郊外で、マッサージ店3店を狙った連続銃撃事件が発生した。死亡した8人のうち、6人がアジア系女性だった。この事件にいち早く反応したのが、米グーグルの最高経営責任者(CEO)、サンダー・ピチャイ(48)だ。ピチャイは一夜明けた17日、従業員向けの通知で、「人種や性別を理由にした攻撃は悲劇だ。我々は人種差別、性差別、暴力を断固として非難する」と書いた。だが、捜査の結果、この事件は、容疑者(21)が自分をセックス依存症にさせたことを恨み、通っていたマッサージ店を襲撃したというのが真相らしい。捜査当局は、米国で増加するアジア系市民へのヘイトクライム(憎悪犯罪)とみていない。少々勇み足だったメールからは、「人種や性別を理由にした攻撃」に敏感なピチャイの一面が見て取れる。実際、ピチャイは、アジア系へのヘイトクライムが目立ち始めた2月、ツイッ ………
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