トヨタが「マツダ」を見放す日

社風が悪化する中、会社の顔だったエンジニアが逮捕。世界的に広がる環境規制や重荷の北米戦略など猛烈な逆風が吹く。

2021年3月号 BUSINESS [丸本体制の暗澹]

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2月5日、マツダの株価がストップ高になった。前日発表された2021年3月期決算の通期業績見通しで、売上高が2兆8500億円から2兆9千億円に、営業損益が400億円の赤字からブレークイーブンに上方修正したことが市場で好感された。米アップルが将来発売する電気自動車(EV)を日本メーカーに生産委託するのではないかとの観測報道が出て、自動車関連株が軒並み上がったことも好材料となった。マツダにとっては久しぶりの明るいニュースだった。最近のマツダには業績の悪化やEV対応の遅れを指摘する声が多く、しかも昨年末に起きた「大事件」が、お膝元の広島界隈で注目されていたからだ。

上層部からのパワハラ圧力

12月26日、マツダの小型SUV「CX-3」の開発責任者を務める同社商品本部主査の冨山道雄容疑者(57)が飲酒運転の疑いで逮捕された。冨山容疑者は自宅近くのコンビニエンスストアでお菓子を万引きし、店員に見つかって通 ………

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