ネットでは批判の嵐だが、ボトムアップの施策に約230名が応募。「新しい働き方」のモデルケースになれるか。
2021年2月号 DEEP
電通の「個人事業主」制度の運用が始まった。約230名の正社員を1月から業務委託契約に切り替え、個人事業主として働いてもらう制度だ。昨年11月、この「新しい働き方」が報じられるとネット上では「個人事業主ならいつでも切れる。体のいいリストラだ」「社会保険料をコストカットしたいだけ」と批判の嵐が吹き荒れた。過労自殺事件、東京五輪招致裏金関与疑惑、新型コロナ給付金事業の受託問題、昨今の業績悪化など、負の話題に事欠かない企業が打ち出した、過去に類を見ない人員削減施策なだけに批判は当然であろう。ただ、その仕組みを仔細に見ると、光か影か、正義か悪かといった二項対立を離れ、日本企業の雇用の在り方を再考するヒントが浮き彫りになる。
「ライフシフトプラットフォーム」と名付けられたこの制度は、会社側が主導して立案し施行したものではない。社内の有志が発起する形で制 ………
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