要所で首相と面談し、「EVシフト」を働きかけるテスラの社外取の動きに気を揉むトヨタ経営陣。
2021年2月号 BUSINESS
昨年末、政府は脱炭素社会に向けた「グリーン成長戦略」をまとめ、電気自動車(EV)の普及など14分野の工程を発表した。菅義偉首相が2050年の温暖化ガス排出の実質ゼロを宣言してから2カ月足らず。産業界は劇的な「グリーン推進」に戸惑うばかりだ。「脱炭素」に熱心だったわけではない菅首相を突き動かしたのは誰なのか。衆目が一致する仕掛け人は、米EVメーカー・テスラの社外取締役、水野弘道氏(55)である。「水野さんってどんな人?」年の瀬、トヨタ自動車の渉外担当は情報収集に駆け回った。年末の成長戦略で政府は30年代半ばまでに新車販売を「電動車100%」にすると定めた。ガソリン・エンジン車が主力のトヨタは、その販売禁止はクリティカルな影響を及ぼす。菅政権発足後、要所で首相と面談し、「EVシフト」を働きかける水野氏の動きが気が気でないようだ。トヨタが嗅ぎ回るように、国内産業 ………
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