美の来歴㉑:横顔の傭兵隊長の陰謀

「メディチ家兄弟暗殺計画」の隠された仕掛け人

2021年2月号 LIFE [美の来歴]

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15世紀末葉、フィレンツェにはルネサンスの花々が咲き誇った。それは黄昏ゆく文明の残照であったのかもしれない。猖獗するペストが街を包み、教会の権威が揺らぐなかで、都市国家フィレンツェは未曾有の危機をようやく潜り抜けた。オリエントにまで影響力を広げたメディチ家の実質的な創業者、コシモ・デ・メディチの遺産を引き継いだ20歳の孫、ロレンツォは政治や外交の手腕に加えて学識と文化的な情操に優れ、ボッティチェリやミケランジェロなどの芸術家を支援した。薬種商から金融業に事業を広げて黄金時代を築いた一族の歴史のなかで、彼は「運命から、また神から、最大限に愛された男」(マキアヴェッリ『フィレンツェ史』)と呼ばれる。〈いのち短し、恋せよ乙女紅きくちびる、あせぬまに熱き血潮の、冷めぬまに明日の月日は、ないものを〉黒澤明の映画『生きる』のなかで、志村喬がブランコの上 ………

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