昨年秋に35億円の大型増資をぶち上げたが、入金されたのはたったの100万円。上場企業失格の末期症状だ。
2021年2月号 BUSINESS
ジャスダック上場のバイオベンチャー、テラを巡る錬金術が案の定、行き詰まった。昨年、メキシコでの新型コロナ治療薬の開発をぶち上げた同社の株価は急騰、時価総額は一時それまでの20倍超に膨らんだ。勢い込んでの10月、約35億円の大型増資を発表したものの、払い込みは延期に次ぐ延期で、ようやく12月16日に入金されたのはたったの100万円。もはや上場企業の体を成さない末期症状だ。件の増資は最初から眉唾ものだった。西武池袋線椎名町駅から線路沿いに延びる商店街、その端っこで肩身狭そうに佇む古ぼけた黄色い雑居ビル――。お好み焼き屋の脇の暗くて狭い階段を上り、ドアをノックしたが人気はない。増資の資金元とされる「トレド」なる会社はそこに本店登記されているはずだが、実体はどうにも怪しい。同社の代表者は歌舞伎町で「アジア文化教育経済協会」なるNPO法人や「ベストワーク支援機構」 ………
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