戦略子会社に私財を投じるのは美談か。将来的にトヨタを間接支配する一手ではないか。
2021年2月号 BUSINESS
「いよいよ出してきたか」。年の瀬も押し迫った2020年12月28日。トヨタ自動車のオウンドメディアである「トヨタイムズ」に公開された映像を、トヨタOBは世襲に向けたアピールの一環と受け止めた。
トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI―AD)は自動運転技術の開発を目的として、トヨタやデンソーなどが18年に設立した会社である。映像は豊田章男社長の長男で、TRI―ADのシニア・バイス・プレジデントである大輔氏が、東京・日本橋にあるトヨタのオフィスを最先端として紹介したほか、モビリティーカンパニーへの想いやトヨタ生産方式の「自働化」について語った。これまで公に姿をみせる機会が少なかった大輔氏だが、20年に入ってから露出が増えてきた。1月の東京オートサロンでは、章男氏が大輔氏を伴ってトークショーに登壇し、「(大輔氏は)マスタードライバ ………
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