オリックス「小林化工」で馬脚

水虫の薬に睡眠導入剤が混入、死者まで出た前代未聞の不祥事。問題企業に出資するオリックス社長井上の戦略も杜撰。

2021年2月号 BUSINESS [綻ぶ財テクノンバンク]

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「本来ないはずの薬物が混ざっていた。お詫びのしようがない。一従業員の問題ではなく、会社全体として教育指導のあり方が問題。今後具体的な補償を考え、誠心誠意尽くして参りたい」。12月12日、福井県あわら市の本社で取材に応じた小林化工社長の小林広幸は、深々と頭を下げ続けた。企業が不祥事を従業員のせいにして、トカゲのしっぽ切りを図る事例はいくらでもある。しかし小林が「私には経営責任がある」と平謝りだったのは、別に本人に男気があったからではない。この薬害事案の原因があまりにも杜撰だったからだ。

「経営層が誰も現場を確認しない」

問題の薬はイトラコナゾール錠50「MEEK」と呼ばれる医療用の経口水虫治療薬だ。2020年9月から12月にかけて出荷した約9万錠の水虫の薬に、あろうことか睡眠導入剤の有効成分が混入していた。服用した患者は1錠につき睡眠導入剤として使用する最大投与量の2.5倍を取り込んだ。その ………

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