米国製兵器を「爆買い」滅びゆく国内防衛産業

防衛関連企業4千社の4割が赤字。日本という国のあり方が問われている。

2021年1月号 BUSINESS [FMSのワナにはまる]

  • はてなブックマークに追加

防衛省が9月に決定した2021年度防衛費の概算要求は5兆4898億円。本年度当初予算比3.3%増の高い伸び率となり、過去最大を7年連続で更新した。防衛費の増加は、海軍力を強化する中国の脅威、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への警戒から必要不可欠な支出と考える人は少なくない。だが、防衛費が膨らんできた最大の要因は、安倍晋三前政権による米国製兵器の「爆買い」にある。米政府の言い値で買わされ、納期も米側次第というトンデモ商法の「対外有償軍事援助(FMS)」による契約額は菅義偉政権でも高止まりが続く。FMSによる契約額は11年度まで600億円前後で推移した。第2次安倍政権で上昇に転じ、15年度4千億円を越え、19年度は7013億円に達した。19年度に急拡大したのは地対空迎撃システム「イージス・アショア」を導入したことによる。導入を方向づけたのは他ならぬ、当時の安倍首相である。

「城郭」を船体に載せる無謀な計画

安倍 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。