老害撒き散らす「近鉄の暴君」

雪ダルマ式に膨らむ赤字。日本最長の営業路線を誇る私鉄の雄で何が起こっているのか。

2021年1月号 BUSINESS

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近鉄グループホールディングス(近鉄GHD)傘下の近畿日本鉄道が運賃値上げの検討に着手した。11月12日の2020年9月期中間決算の席上、安本幸泰副社長が明らかにした。「コロナ禍の影響が長期化し、収支改善の努力を尽くしても採算が厳しいときに備える」という。近鉄の値上げは消費増税の転嫁を除くと1995年9月以来。値上げ検討は8月にJR四国が表明しているが、全国の大手私鉄で値上げまで踏み込んだのは近鉄だけ。営業路線キロ数で日本最長を誇る私鉄の雄、近鉄に何が起こっているのか。

社長を挿げ替えCEOに

21年3月期の関西私鉄大手4社連結業績予想は近鉄GHD、阪急阪神ホールディングス、京阪ホールディングス、南海電気鉄道のいずれも最終赤字だ。近鉄は売上高7540億円で4社中最大だが最終損益も480億円の赤字で最大だ。南海は売上高が1955億円で赤字は7億円にとどめた。稼ぎ頭の関西国際空港アクセス線がコロナで大打 ………

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