2021年1月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
中国の習近平国家主席が11月20日、環太平洋経済連携協定(TPP)参加に前向きな姿勢を表明した。来日した王毅国務委員・外相も習氏の発言を踏まえた内容を説明しており、政府内に「一部は本音なのか」と波紋が広がっている。習氏が「(TPP加入を)積極的に検討する」と表明したのは、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議だった。これまでも李克強首相が会見に答える形で「前向き」の姿勢を示していたが、今回は主席が自ら発言しただけに「影響力は大きい」(中国通)。習氏の狙いは何なのか。有力説の一つは米国への揺さぶりだ。オバマ前米政権が中国包囲網としてTPP合意を主導したが、多国間の枠組みを嫌うトランプ政権は離脱した。バイデン次期政権が通商戦略を再構築するのは必至だけに、その前に「米国不在のTPPに毒針を刺した」(関係者)。もう一つは台湾へのけん制。「一つの中国」を掲げて ………
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