「雇用守る」ANA、業績下方修正の瀬戸際

「第3波」来襲で頼みの「国内線7割回復」は絶望的。 予想連結最終赤字5100億円の下振れを回避できるか。

2021年1月号 BUSINESS

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ANAホールディングスが3千億円規模の公募増資の実現に漕ぎ着けた。新型コロナウイルスによる需要低迷に備え、財務基盤の強化と設備投資に資金を振り向ける。海外のエアラインが続々と経営難・法的整理に追い込まれる一方、ANAは日本航空(JAL)に続き資金調達に成功した。内部では「公的支援はやはりいらない」と多幸感に浸る声もある。だが、コロナ第3波が来襲し、頼みの「国内線7割回復」は厳しい状況だ。2021年3月期の予想連結最終赤字5100億円が下方修正を迫られる恐れもある。ANAは11月27日、JALから3週間遅れで増資計画を発表した。ライバルが投資マネーを吸い取った後のタイミングは最悪だったが、投資家はANAの計画に乗った。それを支えたのはANA自身の再生プランではなく、各国政府・中央銀行がコロナ危機で供給し続ける莫大な流動性に他ならない。世界の感染者数は既に7千万人。にもかかわら ………

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