DMG森精機に「不開示」爆弾

「エリオットに秘密を握られ困っている」という噂が、社内でまことしやかに囁かれていた。

2020年12月号 DEEP

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いつからだろうか、日本企業に海外M&A失敗というジンクスが付いたのは――。日本最大の工作機械メーカー、DMG森精機(以下森精機)は8月末、永久劣後ローンで370億円を調達。さらに10月末、公募により330億円の劣後債を発行し、合計700億円をメザニンファイナンスで調達した。株式を希薄化させることなく資本を充足することができるこの資金調達手法は通常、再生案件などで用いられる。最近では、経営が悪化した全日空が4千億円の劣後ローンを受けたが、優良企業とされる森精機にこの金融手法は似つかわしくない。同社がこの資金調達に頼る理由は、過去の企業買収の後始末である。5年前、ドイツ工作機械メーカー、ギルデマイスター(フランクフルト取引所上場、以下DMG)をTOBで買収したが、結局、少数株主からすべての株式を取得しなければならなくなり、現在もその資金手当てに追われているのだ。

「ハイエナ」のカモになる

山 ………

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