エルピーダメモリを潰した男が籍を置くのは、習近平に近いとされる中国半導体メーカー。
2020年12月号 BUSINESS
激しい米中対立がいまだ続くなか、中国が悲願とする半導体の国産化を必死で支援し、中国から賞賛を受ける男が日本にいる。だがその男、過去に日本で公的資金を受けながら、会社を立て直せず、巨額倒産させたのだから、日本の役人の怒りは相当だ。もっともその男を表立って批判できない事情がある。男の陰には政界の実力者、親中派の影がちらつくからだ。坂本幸雄(73)――。彼はかつて、半導体大手のエルピーダメモリ(1999年にNECと日立製作所の半導体DRAM事業の整理・統合で誕生)の経営トップとして手腕を振るったことで知られる。群馬の前橋商業から高校野球の監督を夢見て日本体育大学に進むも、教員試験に失敗し、「半導体も素人」ながら、経営トップに上り詰めたことで注目を集めた男だ。
2009年にエルピーダが経営危機に陥ると、誰しもが「坂本ももはやこれまで」と思った。だが彼の神経は図太 ………
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