もれ伝わる政府原案は「女性宮家創設には道を開く一方、皇位継承資格は男系男子に限定する」という妥協案。対応を間違えれば政権の足元をすくう火種になりかねない。
2020年11月号 DEEP
「自民党を支持する保守派の大会には何度もお越しいただいたが、菅義偉氏から皇室に関する歴史観などを聞いたためしがない。安倍前首相は『男系継承』に断固たる信念を持っていたが、菅氏にそうした信念はない」菅政権が誕生後の9月下旬、安倍政権を長年支持してきた日本会議系の保守派団体幹部は、皇位継承の在り方に関する菅首相の姿勢に不安をにじませた。一部のナショナリストの間では、菅氏はもともと男系論者とはみなされていない。2005年の衆院選の大手新聞社のアンケートで女性天皇に賛成と回答したこともあった。この時は小泉内閣の有識者会議が女性・女系天皇容認の方針を取りまとめていた時期。だが、別の保守派論客は「これは菅さんに限らず、自民党の政治家はもともと女性天皇支持者が少なくなかった。菅さんはよく言えば現実論者で『男系継承』に強いこだわりはない。政治状況次第で、安 ………
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