「容態回復」膨らむ安倍待望論

「レミケード」の副作用と1年間の通院という制約はあるものの、安倍の政治生命は再び新薬によって救われた。

2020年11月号 LIFE [ 「レミケード」効果]

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「そろそろ派閥に帰ってあげてくれませんか。細田(博之)会長も疲れ果てています。早く帰ってみんなを安心させてほしい」――。9月28日、都内のホテルで開かれた細田派(清和政策研究会、98人)の政治資金パーティー。会場を埋め尽くした関係者を前に、森喜朗元首相の声が響き渡った。自民党最大派閥の細田派は、安倍晋三前首相の退陣まで「総裁派閥」として君臨した。この日、来賓として駆けつけた安倍の顔色にメディアの視線が集まった。「健康を回復しつつある。一議員として菅政権を支え、日本のために頑張っていきたい」。安倍は以前と変わらぬ張りのある声で挨拶した。「安倍さんには早く復帰してもらわないと大変だ」。派閥の所属議員たちはグラスを片手に複雑な表情を浮かべた。「早期復帰」が取り沙汰されるのは、前政権下とは比較にならぬ幹事長、二階俊博の権勢である。菅内閣で留任した二階 ………

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