三井住友信託のお荷物「ダイナースカード」

ブランド力の低下に歯止めが掛からない。高級感がなく、一言でいうと「イケてない」のだ。

2020年10月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

「最大1万5千円分のギフトカードがもらえる!」――。新規ご入会キャンペーンを3カ月にわたり実施したのは、キャッシュレス化で勢いに乗るPayPayでも楽天カードでもない。日本初のクレジットカードとして50年以上の伝統を有するダイナースクラブカード(ダイナース)だ。世界の大富豪ウォーレン・バフェットが保有するアメックスとともに、富裕層や高額所得者向けの高級クレジットカードの代名詞だったダイナース。今や、アメックスだけでなく、VISAやマスターカードのブラックカードやプラチナカードなど、ゴールドカード以上の高級カードが乱立するなか、ダイナースが苦戦している。

108億円の最終赤字

最大の理由は、ダイナースの親会社が三井住友信託銀行に変わったからだ。2015年末の買収以降、引当基準の厳格化、買収時の想定を大きく上回るシステム投資、のれん償却、ポイント引当強化など、次々と費用がかさみ、ダ ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。