リストラは焼け石に水。一等地にある不動産の売却で起死回生という劇薬の噂は消えず。
2020年10月号 DEEP
かつては流通各社のトップが憧れ、お手本とした三越伊勢丹ホールディングスの凋落が著しい。「小売りの王様ともいわれた三越伊勢丹をいま真似すれば沈没してしまう」と同業他社に酷評される始末だ。三越伊勢丹ホールディングスの2021年3月期の連結最終損益は600億円の赤字となる見通し。株価は7月末に上場来安値を更新した。J・フロントリテイリングや高島屋など競合他社もいずれもコロナ禍にあえぐが、三越伊勢丹の業績の落ち込みは新型コロナだけを理由にできない。最大の責任者はもちろん、17年から社長を務める杉江俊彦だ。前任社長の大西洋を追い落とす形でトップの座につき、「コストカッター」の異名通り、冷徹にリストラを推し進めてきた。ただ結果として会社に残ったのは、修復不可能なほどの深い傷だ。
旧三越と旧伊勢丹が経営統合して三越伊勢丹が誕生したのは08年だった。しかし統合を主 ………
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