球磨川水害は「ダムなし人災」

「暴れ川」の宿命なんかではない。ダムなし治水は難しい。だが、あっても頼りにならなかった。

2020年9月号 LIFE

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九州で今年も大雨被害が起きてしまった。熊本県南部を流れる球磨川が氾濫し、50人以上の死者が出た。水没した人吉市や球磨村の甚大な被害を見た熊本県の蒲島郁夫知事は「多額の資金が必要ということもあって、ダムによらない治水を12年間でできなかったことが非常に悔やまれる」と絞り出すような声で語った。球磨川の支流の川辺川では国が治水ダムの建設を計画していたが、蒲島知事は流域市町村の反対の声を追い風に、「ダムによらない治水」を掲げて計画の白紙撤回を表明し、2008年に民主党政権下で計画を取り止めた経緯がある。だが、ダムによらない治水をめぐる県と国土交通省、地元自治体との協議は12年を経た現在も合意していない。この間につくられたのは目標年次のない絵空事のような中期計画だけで、どうするかは何もないままに今回の大水害を招いたわけだ。

頓挫した川辺川ダム計画

今後はどうするのか、と聞かれた ………

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