株主総会で社長・車谷の取締役選任案への賛成はわずか58%。物言う株主におもねる大盤振る舞いの生き残り策。
2020年9月号 BUSINESS [一将功なりて万骨枯る]
薄氷を踏む思いだったに違いない。7月31日に開催された東芝の定時株主総会。社長の車谷暢昭の取締役選任案への賛成は58%にとどまり、ギリギリでの再任になった。二つの外資系投資ファンドが株主提案で独自の取締役候補を担ぎ出し、車谷の追い落としに動いたからだ。解任こそ免れたが、車谷に対する株主の要求は厳しく、今後も東芝は資産売却と自社株買いを求められ続けるだろう。車谷の任期が伸びれば伸びるほど、東芝はやせ細っていく。東芝が8月4日、関東財務局に提出した臨時報告書によると、車谷への賛成は57.96%、反対が18.96%で23%が棄権した。一方、筆頭株主のエフィッシモ・キャピタル・マネージメントが候補に挙げた同ファンドの創立メンバー、今井陽一郎は43.43%の賛成票を集めた。まさに紙一重の戦いだった。
東芝が提案した取締役候補は、車谷と綱川智会長の社内2人と、企業経営者ら ………
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