低効率の石炭火力休廃止で、影響をもろに受けるのは製鉄や紙パ、化学メーカーだ。
2020年9月号 BUSINESS
「電力会社は安定供給という役割があり、経営に影響が出る制度になるのは困る」。7月17日に開かれた電気事業連合会の定例会見で、会長で九州電力社長の池辺和弘はそう語った。
先立つ7月3日に経済産業相の梶山弘志が「二酸化炭素を多く排出する低効率な石炭火力発電所をフェードアウトさせる」と発言。これを受けてのものだ。国内に石炭火力発電所は140基ある。このうち亜臨界圧(SUB︱C)と、超臨界圧(SC)と呼ばれる低効率タイプが114基を占める。最先端と言われる石炭ガス化複合発電(IGCC)の発電効率は46~50%程度、超々臨界圧(USC)は41~43%程度。これに対してSUB︱Cは38%以下、SCは38~40%程度にとどまる。そこでSUB︱CとSCの中でも効率の低い約100基を2030年までに段階的に休廃止するというのが梶山発言の概要だ。石炭火力発電による発電量の約半分、発電所の数でいえば約7割を向こう1 ………
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