財務省人事の深層「太田包囲網」

官邸に付き従う太田の「査定放棄予算」を批判する矢野を、あえて主計局長に起用。直言居士の矢野は官邸と戦えるか。

2020年9月号 POLITICS [「議論する主計局」再建]

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「要すれば、最後に決めることに携わる仕事であるということです。霞が関に色々な役所があるなかで、結局最後に財務省が関わらなければ、何も決まりません」これは財務省の省内誌「MOF人(モフジン)」の2019年7月号で、現事務次官の太田充(昭和58年入省、当時は主計局長)がインタビューに答えた一節だ。「財務省の強みや伝統」を「批判される場合も多いけれども、いざ決めなければいけない段階が来たときに、そこに携わる責任があるというのがわが組織だ」と力説した。1943年に完成した霞が関で最古の財務省庁舎。上空からは「日」の形に見える、と語り継がれる。ここにのぞくのは「我々こそ日本国そのもの」という傲岸不遜なプライドだ。財政の健全性確保や適正・公平な課税を使命とし、予算編成を通じて国家統治を「仕切っている」意識こそが大蔵・財務官僚のエートスを根底で支えてきた。

何のために権力と手を結ぶのか

太田 ………

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