コロナ第2波前に「10兆円解散」

1年後に東京五輪は開催されるという微かな期待が残っている間しか、残された伝家の宝刀を使うチャンスはない。

2020年7月号 POLITICS [起死回生の大勝負]

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横田滋さんが死去した。享年87。老衰で眠るように亡くなったという。1400回を超えた全国行脚の講演では、最後まで愛娘のめぐみさんに会いたいと希望を語り続けた。めぐみさんが行方不明になって43年。北朝鮮に拉致されたと判明してから23年。拉致被害者家族会の初代代表だった横田さんの生涯は、後半生を巡礼に捧げた「聖人」にも似た宗教的崇高さすら感じさせる。妻の早紀江さんが何度も「日本政府を信じて本当に正しかったのか」と疑いを漏らす傍らで、決して政府批判を口にしなかった滋さんの献身的な生き方は、裏返してみれば、残酷な徒労を強いた安倍外交の罪と罰を何よりも強烈に照らし出す。家族会の活動は2002年、小泉純一郎首相の電撃訪朝を実現させた原動力の一つであった。しかし、日朝首脳会談で北朝鮮は証拠も詳細な説明もなく「めぐみさんは死亡」と告げた。訪朝に同行した安倍晋三官房副 ………

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