チキンレース降りた「清水建設」

コロナ禍で現場社員が死亡。コスト増覚悟で工事中断。ゼネコンに我が世の春の終わり。

2020年6月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

新型コロナウイルスの感染拡大の影響が建設・土木業界にも例外なく押し寄せている。大型連休前までに大手、準大手ゼネコンの多くが異例となる工事現場の「閉所」に踏み切った。ただ当初、各社経営陣の危機感は希薄で、「工事現場はウイルスフリー」(大手ゼネコン関係者)といった根拠のない楽観論が蔓延。その後、「下請けも含めた現場従業員の感染リスクを過小評価している」(専門工事会社社長)といった怒りの声が広がり、業界の空気は一変した。

言い出した方が責任を負う

「オレたちの命ってホントに軽いんだなと痛感した」と大手ゼネコン(鹿島、大成建設、清水建設、大林組、竹中工務店)で現場勤務に従事する中堅幹部は呟く。4月13日、清水建は都内の自社の工事現場で働いていた社員3人が感染し、そのうち50代後半の男性社員1人が死亡したと発表。この社員は3日に発熱し自宅待機していたところ、9日に容体が急変し、死 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。