「コロナ禍補償」後ろ向き損保業界

「柔軟な対応」求める金融庁と大バトル。未知の感染症は「そもそも免責」の一点張り。

2020年6月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

新型コロナウイルスのパンデミックに揺れる日本経済。国の自粛要請は企業の売り上げを直撃し、廃業や倒産も相次ぐ。この未曽有の「有事」に、金融機関も顧客に対してかつてなく柔軟な対応をとる。そんな中、「お寒い」対応に終始し、所管する金融庁を激怒させたのが、損害保険業界だ。4月に、当局と「異例の大バトル」を繰り広げた。損害保険は、予期せぬ事故や災害で損害が発生したとき、その経済的不利益を補償するのが役割だ。イベントの中止、工場の休業、店での感染発生……。コロナ禍に損保に期待される役割は大きい。だが、早くも2月には肩すかしを食らうことになった。この頃、世の中は自粛の空気に包まれ、イベントやライブの中止が相次いだ。損保は、止むを得ない事情でイベントが中止や延期になった場合に費用の一部を支払う「興行中止保険」を販売する。加入する主催者はこれに期待したが、各 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。