途方もない「減損リスク」に喘ぐルネサスエレクトロニクス

巨額買収により有利子負債は7859億円に膨張し、のれん代は9千億円を超える。「高値掴み」が運の尽き。

2020年5月号 BUSINESS

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世界有数の半導体企業であるルネサスエレクトロニクス(柴田英利社長)が、新型コロナ禍の直撃を受け、青息吐息だ。自動車メーカーは軒並み生産調整を余儀なくされ、売り上げの大半が自動者向け半導体の同社の前途が危ぶまれている。昨年7月、業績悪化から突然引責辞任した呉文精氏の後を受け、CFOから社長に昇格した柴田社長がアナリスト向け説明会を開き、中期経営計画を発表したのは半年後の2月17日。売上高に占める営業利益を足元の12%から5年後20%超に引き上げると、横文字多用でまくし立てたが、翌18日の株価は17円安の754円だった。その直後から新型コロナ感染拡大の影響で株価が急落、3月23日には317円の最安値をつけた(17年11月につけた1543円の5分の1の水準)。業績悪化に加え、財務体質の悪化が重くのしかかる。実質無借金だった同社は17年2月に米インターシル、19年3月に米インテグレー ………

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