画餅か救世主か「マグロ格付け」

牛肉と同様のランク制導入で養殖マグロの消費を促そうという構想がある。成否は如何。

2020年4月号 LIFE

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今年1月上旬、東京・豊洲の市場の初競り——。「最高の魚」として大量のフラッシュを浴びたのは常連、青森県大間産の276kgのクロマグロだった。競合の末、1億9千万円で落札したのはこれまた常連の喜代村(すしざんまい)の木村清社長。落札者が巨大マグロを前に破顔一笑する光景はもはや正月の風物詩になりつつある。ただ、これはあくまでも正月恒例のメディア・パフォーマンスに過ぎない。マグロに詳しい関係者によると、日々のマグロの競りは淡々と行われ、クロマグロの落札価格も正月の最高値の100~50分の1程度で、1本数百万円。競りに参加する仲卸は、長年の経験を生かしてマグロの尾を見たり、体つきを見たりして、その値打ちを慎重に決めていくという。マグロの目利きは「ベテランの経験と勘がものをいう世界」といわれるが、時に大きく外れることもあるという。一方、消費者にもマグロの価値を判 ………

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