澤田秀雄と服部純市の「奇怪なTOB」

「澤田HD」に200億円超の買収資金を投じたのは、セイコーを追放された服部一族のとんでもない御曹司だった。

2020年4月号 BUSINESS

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エイチ・アイ・エス(HIS)創業者の澤田秀雄氏(69)を巡りまたもや不可解な動きである。2月20日、投資会社「META Capital」(東京都港区)の組成による投資事業組合が澤田ホールディングス(HD)株のTOB(株式公開買い付け)を実施すると公告した。約210億円を投じ、過半数の取得を目指す計画だ。これに対し同社の会長を務める澤田氏は保有する全株について応募する契約を事前に交わしている。全てを売り渡せば、手にする額は約123億円。それでもって同社から足抜けを図るわけだ。ただし今回のディールに関し、澤田HDの他の役員は了承していないらしい。同社の主力はモンゴルでの銀行ビジネスだが、実質的な支配株主交代となる今回の件について現地当局から書面でのお墨付きは得ていない。それもあり会社側はTOBに対する意見表明を留保したままだ。ことほど左様に、今回の澤田氏による足抜け計画はど ………

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