無策「内田日産」沈没の危機

膿を出し切る決断ができなかった新社長。社内から人材を見出す力もなし。

2020年4月号 BUSINESS

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日産自動車が2008年のリーマンショック以来、11年ぶりの赤字に転落した。19年10~12月期決算で、前年同期704億円の黒字だった当期損益が260億円の赤字になった。売上高は17.8%減の2兆5042億円、本業のもうけを示す営業利益は78%減の227億円。当期赤字に陥ったのは194億円の特別損失を計上したからだ。この決算について日産幹部は「ルノーが赤字に陥り、日産が保有するルノー株を減損処理したことが当期赤字になった主要因。本来であれば構造改革費用をさらに特損で計上し、一気に膿を出し切るべきだったが、内田誠社長兼CEOが決断に踏み切れなかった」と明かす。本業がふるわないのは、全世界で販売が落ち込んでいることと、それに起因する過剰設備からだ。19年7月25日には西川廣人前社長が構造改革を発表。全従業員の10%に当たる1万2500人を削減し、18年度720万台だった生産能力を22年度までに660万 ………

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