官邸の虎の尾踏んだ「検察」

「稲田じゃダメだ。黒川を持ってこい」。次々に迫り来る捜査の怯えから、不可侵だった検事総長人事に手を出した。

2020年3月号 DEEP [「腹黒川」が栄進]

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特捜復活を成し遂げ、存在感を示した検察が、官邸から圧力を受け、検事総長人事を奪われて怒り心頭に発している。「菅義偉官房長官と近く、『官邸代理人』の異名を持つ黒川弘務東京高検検事長を検事総長にしようと、2月8日で定年を迎える黒川氏の定年を半年延長した。その結果、検察が予定していた林真琴名古屋高検検事長は7月で定年を迎え、総長の目はなくなった。前代未聞の禁じ手。『検察の好きにさせない、自分たち(官邸)の言うことを聞け』というメッセージ」(検察関係者)ロッキード事件で権力を剝奪され、「闇将軍」として君臨した田中角栄元首相すら不可侵だった検事総長人事に手を出した。そこにあるのは、次々に迫り来る検察捜査への怯えであり、内閣人事局を通じて「霞が関」を支配する官邸の驕りである。「最強の捜査機関」である特捜部は、その強大な権力ゆえに暴走、その行き過ぎを政 ………

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