デリケートな歴史認識が絡む「5.9対独戦勝記念日」訪露は、安倍にとって危険な賭けになりかねない。
2020年3月号 POLITICS [鈴木宗男の「プロパガンダ」]
安倍晋三首相の故郷山口県長門市において、鳴り物入りで開かれた日露首脳会談から3年余。北方領土問題をめぐる3年前の熱気は消え失せ、交渉は行き詰まっているが、首相周辺では、なおも対露外交をプレーアップしようとする発信が続いている。その一つは、日露共同経済活動に関する底上げ的な発信だが、ここに来て安倍周辺が焦点を当てるのが、プーチン大統領が安倍を熱心に誘う対独戦勝記念日75周年式典(5月9日、サンクトペテルブルク)への出席問題だ。9月には、ロシアが事実上「対日戦勝記念日」と見なす「第二次世界大戦終結の日」(2日)と重なる東方経済フォーラム(ウラジオストク)への出席が予定されている。「5.9」「9.2」とも、センシティブな歴史認識が密接に関わるイベントだけに、今年2回想定できる安倍訪露に絡んで「プーチンの罠」が囁かれている。
首相・安倍が5・9対独戦勝記念式典 ………
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