会計評論家 細野祐二:「人質司法問題」を闇に葬るな

カルロス・ゴーン氏が逃亡したからといって、この問題が無罪放免となるわけではない。

2020年3月号 BUSINESS [京都コングレスを前に]

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旧臘29日、カルロス・ゴーン日産自動車元会長(65歳)は関西空港からプライベートジェット機でレバノンに出国。同31日、「私はレバノンにいる」「裁判から逃れたのではなく、不公平さと政治的な迫害から解き放たれた」との声明を出し、年が変わった1月8日、レバノンで記者会見を開いた。ところで、ゴーン弁護団は、2019年10月17日、東京地方裁判所に予定主張記載書面を提出している。ここで、予定主張記載書面とは、弁護側が公判で証拠に基づき主張を予定する事実を記載した書面(刑事訴訟法316条の17)のことをいう。ゴーン元会長の本年1月8日の記者会見は、この予定主張記載書面とほぼ同じ内容だったので、記者会見の中身自体は、司法関係者にとって特段目新しいものではなかった。この予定主張記載書面では、事件は、ルノーとの経営統合を阻止するために、日産の日本人経営陣と経済産業省が、統合阻 ………

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