地元経済の疲弊は止まらず。華麗なる一族出身の頭取に地元から怨嗟の声。
2020年3月号 BUSINESS
昨年10月、山形県庁に山形銀行の長谷川吉茂(キチシゲ)頭取の姿があった。サクランボの帽子姿で有名な吉村美栄子知事と並んで記者会見に臨み、県が148億円をかけて建設した多目的ホールの命名権を山形銀が取得したと公表した。年2千万円で名付けたのは「やまぎん県民ホール」。ロゴが印刷されたパネルを吉村知事と掲げた長谷川氏は、「県民の皆さんから親しみを持って接してもらえることを願う」と笑顔をみせた。
長谷川氏が頭取を務める山形銀行は山形市に本拠を構える東証一部上場の地方銀行だ。県内の預金と貸出金のシェアは長らく首位、地元の行政や経済界との関係も深い。明治時代創立の第八十一国立銀行を源流に持ち、県内で合従連衡を繰り返して、現在の名称に落ち着いたのは1965年になってからだ。全国の地銀の中でも珍しいのは、原則として、長谷川家と三浦家という2つの創業家出身者が、た ………
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