イオンに忍び寄る「動脈破裂」

23年ぶりの社長交代が話題にならない。岡田一族と直参による支配は不変だからだ。

2020年3月号 BUSINESS

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小売業界における最近の人事ニュースでは久々の大型案件だが、サプライズ感は乏しかった。イオン社長の岡田元也が3月1日付で代表権のある会長に就き、後任社長に副社長の吉田昭夫が昇格するという発表である。

グループ各社で「ミニ院政」

「23年ぶりの社長交代」「創業家である岡田家以外からの登用」と各メディアは報道。その内容については改めて詳しく述べるまでもないだろうが、イオンの狙いは出遅れが目立つデジタル事業のテコ入れだという。2019年から同事業を統括する吉田をトップに据え、ネット通販やネットスーパーを本格的に拡大していく。もともと吉田が副社長に就いた19年から、今回の人事は社内外で既定路線と見られていた。ある関係者は「吉田さんは非常にクレバーで数字に強く、人当たりもいい。現在59歳で年齢的にもちょうど良い」と話す。国際事業やデベロッパー事業が長い吉田がデジタルに適任かという疑問は ………

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