鑑定士「同じ不動産」で4度メシ

四つの役所が一つの土地の評価をバラバラに発注。結果はそれぞれに都合よく、説明もなし。

2020年3月号 BUSINESS

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全国津々浦々の道路に、土地に関する税金を決めるもとになる「路線価」がついている。国税庁が7月に公表する「相続税路線価」は、上がった、下がった、と話題になるので知られているが、それとは別に市町村が3年に1度更新する「固定資産税路線価」が同じ道路についていることをご存じだろうか。二つの路線価は、国土交通省が毎年1月1日現在で3月に公表する「公示地価」が基準とされる。相続税はその8割、固定資産税は7割をめどに、それぞれ課税する役所が決める。ということは、同じ場所の路線価を「0.8」と「0.7」で割れば一致するはずだ。少なくとも、公示価格に連動するのだから、似た動きになるべきだ。ところが、実際はそうなっていない。一例として、埼玉県川越市の東武東上線新河岸駅東口の路線価を見てみよう。前回の評価替えがあった2018年、この道路の固定資産税路線価の値上がりは7.3%だっ ………

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