その確率はなんと4万分の1。埼玉県が買収する土地の評価業務の発注で「奇跡」発生。調べるとさらにおかしな点が。
2020年2月号 DEEP [競争原理はどこに]
サイコロで6回連続「1」の目を出す確率は「6分の1」の6乗で「4万6656分の1」だ。公共事業の入札で、この奇跡的な確率に近い「強運」を発揮した会社があり、関係者を驚かせている。「奇跡」は、埼玉県の県土整備部が、道路や河川などの工事で買収する土地を評価する業務の発注で起きた。入札は、参加者が同額を入れると「くじ」で落札者を決める。そのくじで、さいたま市北区の不動産鑑定会社が、昨年7月から10月まで、6回連続で「当たり」を出したのだ。それぞれのくじには7、8、3、6、8、5の業者が参加した。これで「6連勝」する確率を計算すると、「4万320分の1」となる。入札は本来、参加者の中で最も低い価格を入れた業者が落札する。しかし、この入札は予定価格の約79%のところに「最低制限価格」が設けられ、それを下回ると「失格」になる。この仕事は「決められた通りにやるだけで簡単なのに制 ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。