「ゲーム障害」野放し同然の日本

治療患者の約半数は中高生。中韓では「深夜」のアクセス禁止。日本は危機感が薄すぎる。

2020年2月号 LIFE

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「ゲーム障害」という心の病が、人間の脳を蝕(むしば)んでいる。WHO(世界保健機関)は2019年5月、ゲーム障害を新しい依存症として認定した。「ゲーム」とは、主にオンラインゲームを指す。今回の認定により、ゲーム障害は、アルコールやギャンブル、薬物による依存症と同じように、治療が必要な疾病と世界的に認められた。WHOの新疾病分類は22年から施行されるが、ゲーム障害を含めた「ネット依存」の治療は、日本では国立病院機構・久里浜医療センターで11年から始まっている。同センターの樋口進院長(専門は臨床精神医学、インターネット依存など)は、WHOの専門家諮問委員としてゲーム障害の認定に中心的な役割を果たした。

脳の「前頭前野」が萎縮

厚生労働省は18年8月、「インターネット依存の疑いがある」中高生の人数を全国推計で93万人と発表した。久里浜医療センターでネット依存を治療する患者の約半数は中高生 ………

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