懸案の火力発電と旅客機は残存者利益狙い。成長戦略が描けない体たらく。
2020年2月号 BUSINESS
三菱重工業が昨年末、歴代首脳を悩ませた懸案の処理策を相次ぎ発表した。日立製作所を相手に6年近く揉めた南アフリカの発電所建設に絡む巨額損失問題は、約2千億円を受け取り、日立とのパートナー関係を解消することで和解。「造る船がなくなった」長崎造船所香焼工場(長崎市)は国内造船3位の大島造船所(長崎県西海市)へ売却する。ただ、どちらも将来展望を欠いた“弥縫策”と関係者は酷評。飛ばない航空機「三菱スペースジェット(MSJ)」の6回目の納入延期も秒読みとなり、視界は一向に晴れそうにない。
12月18日、三菱重は南アの石炭火力発電所建設で発生した損失を巡る日立との係争が和解したと発表した。このプロジェクトは2007~08年に日立が南アの電力会社から総額5700億円で受注。大型ボイラーを12基設置する計画だったが、労使紛争の頻発や大型案件の経験が浅かった日立の不手際で工期が大 ………
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