存在感なき日立「軽量トップ」

社長の存在感が薄くても構造改革が進む。悲しいかなリーダーシップ欠如の弊害がない。

2020年2月号 BUSINESS

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大企業のトップが一斉にメディアのインタビューに応じ、一年の総括と新年の展望を語るのは、半ば師走の習いとなっている。しかし連結売上高が10兆円近くと、日本を代表する製造業である日立製作所の東原敏昭社長は今年、大手メディアのインタビュー記事に登場しなかった。それどころか年初に開かれた各種業界団体の賀詞交歓会にも全く顔を出さず、雲隠れを決め込んでいる。日立自体にインタビューで語るほどの目立った動きがなかったわけではない。実態はむしろその逆だった。2019年12月18日、長期の業績低迷に加え、検査不正などの不祥事が露呈した上場子会社の化学メーカー、日立化成を最大約9640億円で昭和電工に売却することを発表。同じ日に、日立本体が擁していた医療機器事業の富士フイルムホールディングスへの売却、さらには三菱重工業との間でシコリとなっていた南アフリカでの火力発電所建設 ………

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