「落日の東大」と手を組んだTSMCの目論見

TSMCの経営は生き馬の目を抜く。東大はダシにすぎず、日本市場における事業拡大に利用されることを覚悟しなければなるまい。

2020年1月号 BUSINESS

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東京大学が台湾積体電路製造(TSMC)の事業拡大戦略のダシに使われそうだ。11月下旬、低迷する日本の半導体産業を救おうと、東大の五神真総長自らが出席して、TSMCとの最先端半導体技術に関する包括提携を発表した。東大にとって海外企業と初の提携だけに「国策のソサエティー5.0実現へつなげる」と意気込む。TSMCも新しい技術開発に東大の知見を活用できると強調するが、それが真の狙いではあるまい。日本市場開拓の橋頭堡を東大に築いてもらい、一気に新規顧客を取り込む下心が透けて見える。世界の半導体業界は、米インテル、韓国のサムスン電子、TSMCの3社寡占である。TSMCだけが自社ブランドを持たない受託生産会社だが、この分野では大半のシェアを占め、製造技術ではインテルを凌ぐ勢いがある。設備投資も桁違いだ。日の出の勢いのTSMCは、なぜ、世界の大学ランキングで20位圏外の東大をパートナ ………

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