日本調剤のドン「課徴金退任」

突然退任した高額所得者の常連がインサイダーで課徴金。後継者の息子に募る不安。

2019年11月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

調剤薬局大手「日本調剤」の創業者である三津原博氏が6月27日、突然、社長を辞任した。同日付のニュースリリースには「一身上の都合により」との定型文が添えられたが、その3週間前に開示された定時株主総会の招集通知では再任の予定としていたことから、あまりにも唐突な人事だとして、様々な噂が乱れ飛んだ。謎は3ヵ月足らずで解けた。9月中旬、三津原氏が自社株買いの情報を公開前に知人に漏らしたインサイダー取引の疑いが浮上。証券取引等監視委員会に課徴金の支払いを勧告されたことが明らかになった。

打った手が不思議と当たる

三津原氏は薬剤師として武田薬品工業に入社し、MRとして6年ほど勤務した後、1979年に退職。翌80年に日本調剤を立ち上げた。武田で最初の赴任地だった札幌で薬局を開業させ、調剤と医療機関とを分ける「医薬分業」を訴えながら、事業を拡大させた。公定の薬価と、それより安い実際の仕入れ値の ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。