菅義偉は「総理の器」に非ず

気の早い向きは「もはや隠れ菅内閣だ」と色めき立つが、安倍に刀を抜くのが早すぎた。「策士策に溺れる」だ。

2019年11月号 POLITICS [策士策に溺れる]

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政界通を自任する半可通ほど「ポスト安倍レースの隠れた本命は菅義偉官房長官だよ」と訳知りに解説したがる。結論から言おう。菅が首相になることはない。本人は色気十分だし、政界に囃し立てる輩、群がる一派は増えているが、例外なく算盤ずくか思惑含みに限られ、本気で菅政権樹立を目指している者は一握りもいるかどうか。ただし、菅はおのれの野望を秘めながら、生き残りを賭けて「ポスト安倍」政局を死に物狂いで引っかき回すはずだから、間違いなくキーパーソンではある。だが、そこまでだ。

安倍が目論む「岸田禅譲」を拒否

9月の内閣改造・自民党役員人事では、菅の剛腕ぶりがこれまで以上に露骨に表れた。二階俊博幹事長の肩を持って、岸田文雄政調会長の幹事長昇格の芽を潰した。本誌が一貫して伝えてきた通り、9月の人事で安倍晋三首相の意中の後継者が「本命・岸田」であることがはっきりした。安倍が参院選から人事まで ………

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