「原子力マフィア」の宿業に堕ちた関電社長

原子力事業本部長の豊松副社長は万死に値する。なぜ、岩根社長を元助役に引き合わせたのか。

2019年11月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

辞任を表明した関電の岩根茂樹社長の憔悴が著しい。食事が喉を通らないようだ。明るく真っすぐな人柄だけに気の毒だ。岩根氏が大阪の関電本社で森山栄治・元助役の表敬を受けたのは17年3月15日。前年に社長になったばかりだった。10月3日付朝日新聞が舞台裏をスッパ抜いた。描写が生々しい。〈帰り際、森山氏は「お祝いです」と紙袋を差し出した。受け取った岩根氏に、同席していた原子力担当の豊松秀己副社長(当時)は言った。「高額なものかもしれません」。秘書に中身を確認させると、菓子折りに加え、1枚15万円相当の金貨が10枚あった。「返せるタイミングで返しておきますから」。社内のコンプライアンスのトップも務める岩根氏だが、豊松氏の言に従い、金庫にしまわせた〉京大で原子核工学を学び、原子力部門の本流を歩き、原子力事業本部長に栄進した豊松氏は原発立地対策のプロ。世に言う「原 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。