「鉄道撤退も視野」「投下資本利益率8%達成は法律」。言っては翻意連発に呆れる株主。
2019年10月号 BUSINESS
川崎重工業の経営が迷走を続けている。造船事業の統合を巡り、推進派の当時社長、長谷川聡(72)が反対する役員に解任された“クーデター”が起きたのが2013年だった。
反対派の頭目だった後任社長(現会長)の村山滋(69)は混乱収拾後の16年に早々に退陣し、鉄道車両部門のエースだった現社長、金花芳則(65)に後事を託したが、17年12月の新幹線のぞみの台車亀裂をはじめ、米鉄道車両案件で連続赤字を計上するなど問題続出。出身部門の相次ぐトラブルで求心力が低下した金花はかねて公約していた不振事業の改革を先送りするなどガバナンス(統治)不全に陥っている。7月30日に川重が発表した19年4~6月期業績は最終損益が82億円の赤字(前年同期は25億円の黒字)だった。第1四半期としては10年ぶりの赤字転落という事態に株価は急降下。前日29日の終値(2631円)から5日続落し、その後も軟調に歯止め ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。