英首相ボリス・ジョンソンの野望

EUを敵役にブレグジットで「戦時下」を演出 「チャーチル気取り」の危険な男。

2019年9月号 GLOBAL

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「英国の欧州連合離脱(ブレグジット) をめぐる波乱の物語」の最新章の見出しは「過去への憧れ(ノスタルジー)」だ。英国民が懐かしむのはリーマン・ショックが起こる前の1990年代の終わりから2000年代の初頭に味わった贅沢三昧の生活ではない。第二次世界大戦中の首相、ウィンストン・チャーチルの強力な指導力の下で国民が見せた禁欲主義や英雄主義、団結力だ。新首相のボリス・ジョンソンは、7月の就任当初からまるで自分をチャーチルになぞらえているかのようだ。平時最大の深刻な政治的危機にある英国を導くために登場。前々任のデビッド・キャメロンや前任のテリーザ・メイによって袋小路に追い込まれた英国を救うことが自らの職務で、最大の任務はブレグジットを遂行することだと考えているようだ。ジョンソンが党首選の対抗馬元外相のジェレミー・ハントを破った直後にぶった演説は、まるで英 ………

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