アサヒ泉谷「コンプレックス買収」

4年間で2兆4千億円を投じる「爆買い」。キリンへの敵愾心がアサヒのドンを突き動かす。

2019年9月号 BUSINESS

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7月27日、今年も恒例の隅田川花火大会が開催された。夜空を彩る2万発の花火に、集まった96万人の観客は拍手喝采。台風の接近で中止の恐れもあった中、盛況のうちに幕を閉じた。その花火大会の「特等席」に本社があるアサヒグループホールディングスが、どでかい「花火」を打ち上げたのは7月19日だ。ビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)から、傘下の豪州ビール最大手カールトン&ユナイテッドブリュワリーズなどを買収すると発表した。

晴れの舞台が霞む悲劇

買収額は1兆2千億円で、日本企業によるビール分野のM&Aでは最大。このところのアサヒの大型買収はこれだけではない。16年以降、欧州でも有力ブランドを買い漁っている。4年間の合計投資額は2兆4千億円。まさに「爆買い」だ。アサヒ社長の小路明善は8月1日の2019年1~6月期決算記者会見で、「ブランド力やエリアごとの経営能力を発揮し ………

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